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              『常用字解』の音訳版

                         横浜漢点字羽化の会代表  岡田 健嗣


  常用字解、音訳版凡例・文字資料

  音訳版凡例

 本音訳は『常用字解』漢点字版を参考にし、見出し字ごとに次の順序で音訳した。
 見出し字、漢点字符号、画数、音読・訓読、字形(旧字形のあるものはその画数と字形)、解説、用例。 
 尚、個々の漢字は「岡田メモ」で説明した。

 古い文字の資料として掲げられている甲骨文、金文、篆文などの字形の説明は省略した。また、図についてはタイトルのあるものはそのタイトル、図には簡単な説明を加えた。

『常用字解』漢点字版 
  製作者 「横浜漢点字羽化の会」
  製作年 2009年・2010年3月

「岡田メモ」
 「岡田メモ」は、『常用字解』の音訳に当たって使用した「個々の漢字を識別するためのツール」である。尚、「岡田メモ」は本音訳において始めて使用されたものである。
 (巻末の「あとがき」「岡田メモについて」参照。)
 見出し字、また、「解説」文中で説明が必要と思われる漢字については「岡田メモ」で説明した。

各項目について

◆見出し字について
  音読と「岡田メモ」を読み入れた。
◆漢点字符号について
  本音訳は『常用字解』漢点字版を参考に行い、漢点字符号を表示した。漢点字の符号の説明は、1マスに8点を使う漢点字の上の点(始点と終点)を除いた下の6つの点を、カナ点字読みしたカナ読み、または点字符号を1の点から6の点までの番号で読んだ。
◆画数について
  見出し字通字形の画数を読み上げた。
◆音読・訓読について
  音読は括弧内に記された旧仮名は「旧仮名」と読み、細字で書かれた仮名は「細字」と読み入れ、それぞれを読み上げた。
◆字形について
  字形は漢字の構成に従って、その配置を上から下へ・左から右へと説明。また構成要素を部首名と「岡田メモ」・<呼び名>を使用して説明した。
  括弧内の旧字形は、旧字形と読み、ここで画数を読み上げ、字形を説明した。
  尚、部首及び常用漢字以外で多く使われた一部の漢字について、その字形を「基本的な字形の説明一覧」として巻末に掲げた。

  <呼び名>とは、パソコンでは表示できない文字で、「岡田メモ」では対応できない文字。現代では文字として使用されていない形だが、かつては文字であり、意味もはっきりわかるものについて「解説」から抽出した言葉で説明したものでその名称としたものをいう。
  <呼び名>は、それぞれ<呼び名>・字形・「使用見出し字」・そのページとディスク番号の順にまとめ、「<呼び名>一覧」として、巻末に掲げた。
 「使用見出し字」とは、<呼び名>が見出し字、あるいは「解説」において使われた場合の見出し字を言う。

◆解説について
  「解説」と読み上げたあとに当該見出し字を読み入れた。
  「解説」文中、説明が必要な漢字については「岡田メモ」、および<呼び名>で説明した。
  「解説」において多く使用されている【さい】については、「解説」の終わりに「【さい】については凡例参照」とした。原本の「凡例」を参照されたい。
  「解説」において、字形の説明等が長く、本文の流れを阻害すると思われる場合、「音訳者注」として「解説」の終わりに挿入した。
  「解説」文中の括弧類の読み方について、小括弧は単に「括弧・括弧とじ」と読み上げ、鉤括弧については「鉤括弧・鉤括弧とじ」と読み上げた。文献に付された大括弧の符号名は省略した。

◆用例について
  「用例」と読み上げたあとに当該見出し字を読み入れた。
  「用例」に掲げられた語彙の、見出し字以外の漢字は「岡田メモ」で説明した。

◆終わりの言葉について
  一見出し字の最後に、当該見出し字の「岡田メモ」を再度読み入れ、終わり、とした。
 
◆「音訓索引」について
  原本巻末の「音訓索引」については、見出し字の訓読のみを抽出し「見出し字訓読索引」として、巻末に掲げた。

◆「文字資料」について
『常用字解』音訳の為に製作した次の五つの文字資料を巻末に収録した。
常用字解、音訳版凡例
常用字解、基本的な字形の説明一覧
常用字解、呼び名一覧 
あとがき岡田メモについて

音訳版凡例終わり

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常用字解、基本的な字形の説明一覧・文字資料


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常用字解、呼び名一覧・文字資料


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  常用字解、あとがき・岡田メモについて・文字資料

 『常用字解』(初版)は見出し文字総数2744文字を収めた漢字の字典である。音訳では、一つ一つの漢字をどのように音声で表すかが大きな課題であった。同じ文字が随所に現れる場合は、その文字は常に同じ説明が求められた。この一つ一つの漢字の統一的な説明が「岡田メモ」である。
「岡田メモ」の製作は、この本の十年に及ぶ音訳作業と平行して進められた。この間に幾たびか更新を余儀なくされた。このことは、「岡田メモ」の製作者とそれに基づいて音訳した音訳者にとって、最も大きな難関であり、そのために完全な統一をもって完遂できなかった。
 音訳に当たって、「解説」では、挿入した漢字の説明が本文の流れを阻害しないような、音訳の仕方を追求した。また、字典としての「用例」・「索引」等、その使い方もできる限り考慮した。
 「岡田メモ」は今まで、なければいけないものがなかったために作られた、のであり、今後、漢字を説明するための共通のツールとして、音訳の現場で利用されることが望まれる。
 尚、最新の「岡田メモ」は「漢点字羽化の会」のホームページで閲覧並びにダウンロードできる。
 「漢点字羽化の会」URL:http://www.ukanokai-web.jp/

あとがき「岡田メモについて」終わり。

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