トップページへ
東京漢点字羽化の会学習会報告
「うか101」
 第82回 学習会 2014年9月20日(土)

  8 複合文字(4)
  2.紹介し落とした文字、および基本文字にない象形文字・会意文字二十二字
 ア 前回の復習
  ※「官」とそれをパーツとして含む文字3つ。
 (32)「追 」 しんにょう(:1・2・3・6の点)と、しんにく(:1・5の点)で表す。
  ※「貴 (ヲ:3・5の点とキ:1・2・6の点)」とそれをパーツに含む文字一つ。
 (33)「貴 」 貝(:3・5の点)とキ(:1・2・6の点)で表す。貝は子安貝のこと。タカラガイ科の巻貝の俗称。卵型で表面は平滑、光沢に富み、色彩斑紋が美しい。古代中国では貨幣として使用。「財」「資」など経済に関する語に含まれる。
 (34)「遺 」 しんにょう(:1・2・3・6の点)と貴(:1・2・6の点)で表す。

 イ 今回の学習
 (35)「求 」 十(:2・4・5の点)と水(:1・2・3の点)で表す。分類としては基本文字に属する。音読みのキュウは漢音、ク・グは呉音。テキスト以外の熟語には求心(末端から中心に近づく:求心性神経。遠心は中心から末端に向かう:遠心性神経)∞求刑∞求道(グドウ、キュウドウ)∞求食(クジキ)∞求知心∞哀求(同情心に訴え頼む)∞要求∞希求(キキュウ、ケク:願い求める)∞欣求(ゴング:喜び求める)∞勤求(ゴング:勤めて仏の教えを求める)∞訴求∞誅求(チュウキュウ:厳しくせめて求める)≠ネど。
  ※「去 :1・3・4・5の点と:2・4・6)」とそれをパーツに含む文字1つ。
 (36)「去 」 土(:1・3・4・5の点)とコ(:2・4・6の点)で表す。基本文字に属する。音読みのキョは漢音、コは呉音。テキスト以外の熟語には去勢∞去来今(キョライコン:過去と未来と現在)∞則天去私(夏目漱石の晩年のことば。小さな私を捨て自然に委ねる)∞去年草(こぞくさ:麦。二年草)∞消去∞脱去(抜け出る)∞散去(散り散りになる。間を離す)∞去去日(キョキョジツ:一昨日)∞去去年(おととし)∞帰去来(キキョライ。かえりなんいざ:故郷に帰るために現在地を離れる)∞去られん坊(夫に去られた妻。離縁された妻)∞姑去り(姑ざり:姑の意見で嫁を離縁する)∞風と共に去りぬ∞片去る(かたさる:脇へ寄る。遠慮する)∞片時去らず(少しの間も止めない)∞消え去る∞捨て去る≠ネど。
 (37)「法 」 さんずい(:1・2・3の点)と去(:2・4・6の点)で表す。音読みのホウは漢・呉音。テキスト以外の熟語には法衣(ホウエとも:僧侶の衣服)∞法位(僧侶の位)∞法威(仏法の威力)∞法要∞法外∞法螺(ホラ)∞法皇・法王∞説法∞手法∞技法∞調法∞違法∞脱法∞悪法∞二進・十進・十二進・十六進法∞作法∞魔法∞正攻法∞生兵法∞筆法∞正法眼蔵(ショウボウゲンゾウ:悟りの真髄。「眼」は眼目、「蔵」は真理)∞荒法師∞療法(心理・精神・衝撃・紫外線・指圧・作業・睡眠・大気・対症・電気・熱気・箱庭・物理・免疫・理学など多岐)=A人名に弘法大師∞法然(ホウネン:浄土宗の開祖)∞一寸法師=Aフラン(フランスの貨幣の単位)≠ネど。


 第83回 学習会 2014年10月18日(土)

 (38)「勤 」 力(:1・3・4の点)とキ(:1・2・6の点)で表す。力は農具のすき(耒)からきたもの(白川説)。音読みのキンは漢音、ゴンは呉音。テキスト以外の熟語は
  勤求(ゴング:勤めて仏の教えを求めること)∞勤め口∞出勤∞日勤∞夜勤∞常勤∞勤勉∞忠勤∞在宅勤務∞勤皇∞参勤交代≠ネど。
 (39)「兼 」 リ(:1・2・5の点)とケ(:1・2・4・6の点)で表す。音読みのケンは漢・呉音。テキスト以外の熟語は兼愛(平等に人を愛すること)∞兼備∞兼任∞昼夜兼行∞待ち兼ねる∞見兼ねる∞据え兼ねる∞耐え兼ねる∞堪り兼ねる=A地名に兼六園=A人名に吉田兼好∞直江兼続(〜かねつぐ)≠ネど。
  * 兼を含む文字に「嫌」、「謙」、「鎌」などがある。
 (40)「困 」 国構え(:2・3・5・6の点)と木(:1・2・6)で表す。音読みのコンは漢・呉音。テキスト以外の熟語は倦困(けんこん:あきて苦しむこと)∞困憊(こんぱい)∞困りに続く言葉に(者、入る、切る、抜く、果てる、など)


 第84回 学習会 2014年12月20日(土)

 (41)「妻 」 女(:1・3・4・6の点)とサ(:1・5・6の点)で表す。象形文字。女性の髪飾りを象った形。音読みのサイは呉音。訓読みにめ≠ェある。テキスト以外の熟語には花妻(はなづま:花のように美しい妻。萩の異称)∞糟糠の妻(貧乏な時から苦労を共にしてきた妻)∞恐妻∞滑り妻(ぬめりつま:浮気な妻)∞後妻(ごさい。うわなり)∞老妻(ろうさい。おいめ)∞恐妻∞隠し妻∞一妻多夫∞妻板(つまいた:側面の板)=A地名に妻籠(つまご:中山道の宿場町)#o優に阪妻(ばんつま:坂東妻三郎の略)≠ネどがある。


「うか102」
 第85回 学習会 2015年1月17日(土)

 (42) 「勝 」 月(ラ:1・5の点)と(カ:1・6の点)で表す。部首の月≠ヘ「ふなづき」で朕∞謄∞藤∞滕∞籐≠ネどの文字に含まれる。字式はふなづき+ソ天>力。又は朕>力。音読みのショウは漢・呉音。テキスト以外の熟語には祝勝∞圧勝∞勝馬∞辛勝∞一発勝負∞一本勝負∞一`六勝負∞勝ち軍(いくさ)∞勝ち越し∞勝ち名乗り∞勝鬨∞勝ち誇る∞先手必勝∞殊勝∞勝手(気儘)∞男勝り∞遠慮勝ち=B人名、地名に勝浦∞勝沼∞勝海舟∞新勝寺(成田山)≠ネど。
 ※ 「直 」 ロ(2・4・5の点)と目(メ:1・2・3・4・5・6の点)をパーツとして含む文字二つ。
 (43) 「植 」 直(メ:1・2・3・4・5・6の点)と木(キ:1・2・6の点)で表す。字式は木偏+直。音読みのショクは漢音。訓にたて‐る≠ェある。テキスト以外の熟語には植樹∞田植え∞植木(鉢)∞植込み∞植付け∞観葉植物$l名に植村∞植田≠ネどがある。
 (44) 「値 」 人偏(ナ:1・3の点)と直(メ:1・2・3・4・5・6の点)で表す。字式は人偏+直。音読みのチは漢音。テキスト以外の熟語には「チ」と読むものに価値∞期待値∞近似値∞細小(大)値∞偏差値=B「ね」と読むものに元値∞売値∞言い値∞卸値∞終値∞捨て値∞高値∞値打∞値引き∞値札=B「あたい」には値千金≠ネどがある。「あたい」には値千金≠ネどがある。
 (45) 「針 」 金偏(カ:1・6の点)と十(ロ:2・4・5の点)で表す。本来の字ではない。十は先が尖ったものを意味する。字式は金偏+十。音読みのシンは漢・呉音。テキスト以外の熟語には「シン」と読むものに按針(アンジン:水先案内人)∞検針∞時針(じしん:時計の短針)∞針葉(広葉)∞針小棒大=B「はり」と読むものにお針子∞鉤針∞返し針∞待ち針∞釣針∞針のむしろ∞毒針∞針千本∞針土竜(はりもぐら)∞心の針(心の中に抱く害意)=B特殊な読みに針魚(さより:一般的には細魚)∞針孔(みず: 針眠とも。針の糸を通す孔)≠ネど。


 第86回 学習会 2015年2月21日(土)

 ※ 「昔 (リ下がり:2・3・6の点とネ:1・2・3・4の点)とそれをパーツとして含む文字一つ。
 (46) 「昔 」 リ下がり(2・3・6の点)とネ(1・2・3・4の点)で表す。字式はサ一/日。「日」は太陽、「サ一」は干し肉(保存食)を意味する。音読みのセキは漢音、シャクは呉音。テキスト以外の熟語には昔馴染み∞昔日(せきじつ:昨日)∞昔歳(せきさい:去年)∞昔年(せきねん:とうのむかし)∞一昔(ひとむかし: 今は10年。もとは17、21、33年)∞昔気質(むかしかたぎ)∞『今昔物語』(日本最大の古代説話集。12世紀前半の成立か。編者は未詳。全31巻で23巻が現存。天竺 = インド5巻、震旦 = 中国5巻、本朝21巻。巻、震旦 = 中国5巻、本朝21巻。一千余りの説話で中心は仏教説話が3分の1以上。漢字と仮名文。宣命書きで各説話は「今は昔…」で始まる。)
 (47) 「借 」 人偏(ナ:1・3の点)と昔(ネ:1・2・3・4の点)で表す。字式は人偏+昔。音読みのシャクは呉音、セキは漢音。テキスト以外の熟語には借物(かりもの)∞借入れ∞借入金∞借り住まい∞飯借り(ままか‐り)∞仮借無い(かしゃくな‐い(見逃したり許したりしないこと)∞貸借∞寸借(すんしゃく:ちょっとの間、僅かな金を借りること)∞借景(しゃっけい:庭園外の遠山や樹木を庭に見立てたもの)=@「セキ」と読む熟語は不明。
 (48) 「倉 」 リ(1・2・5の点)とオ(2・4の点)で表す。字式は、やね/一/日タレ/口。音読みのソウは漢・呉音。テキスト以外の熟語には校倉(あぜくら)∞倉庫≠ネど。岡倉・大倉・小倉・赤倉・鎌倉・佐倉・板倉・朝倉・島倉・高倉など人名、地名に多い。
 ※ 「品 (口(レ:1・2・4・5の点と三:1・4の点)の下に木(キ:1・2・6の点)が置かれた形をつくりとする文字一つ。
 (49) 「操 」 手偏(テ:1・2・3・4・5の点)と品(ウ:1・4の点)で表す。字式は手偏+品/木。音読みのソウは漢音。テキスト以外の熟語には体操∞新体操(ボール、繩、輪、リボン、棍棒の五器具を操る)∞節操∞常操(常に変わらない節操)∞志操(守って変えない志。堅い操)∞操業(@機械を使う。A船で漁をする)∞操行(日頃の行い)∞操觚者(そうこしゃ:文筆に従事する人。新聞・雑誌の記者など)

 第87回 学習会 2015年3月28日(土)

 ※ 「束 (キ:1・2・6の点と5・6の点)」とそれをパーツとして含む文字一つ、プラス一つ。
 (50) 「束 」 木(キ:1・2・6の点と5・6の点)で表す。字式は略。音読みのソクは呉音、ショクは漢音。テキスト以外の熟語に花束∞不束者(ふつつかもの)∞結束∞装束(しょうぞく或はそうぞく)∞二束三文∞覚束無い(おぼつかな‐い)∞拘束∞検束(束縛に同じ)=Bショクの読みの熟語は不明。
 (51) 「速 」 しんにょう(1・2・3・6の点)と束(5・6の点)で表す。字式はしんにょう@+束。音読みのソクは漢・呉音。テキスト以外の熟語に逸速し(いちはや‐し。「逸」は当て字。霊感がいちじるしい。手厳しい。強烈。切実。性急。他に先駆けてすばやい。などの意)∞風速∞音速∞光速∞高速∞快速∞失速∞球速∞速球∞神速(しんそく:人間わざとは思えないほど速いこと)∞速攻∞速効∞拙速(せっそく:仕上がりは下手でもやり方が早い。対語巧遅=j∞速読∞速筆∞速記∞速報∞敏速∞速乾∞速射=B氏名・地名に速水(はやみ)≠ネど。
 ・束に似た文字「朿 (とげ)1の点と1・2・6の点と5・6の点」を含む文字。
 (52) 「策 」 竹冠(チ:1・2・3・5の点)と朿(5・6の点)で表す。字式は竹冠/朿。音読みのサクは漢音。テキスト以外の熟語に画策(計画を立てる)∞姦策・奸策(かんさく:悪いたくらみ)∞奇策(奇抜なはかりごと)∞詭策(敵を欺くはかりごと)∞策案(はかりごと)∞施策∞失策∞得策∞散策∞金策∞愚策∞万策∞秘策∞苦肉の策≠ネど。
 (53) 「潮 」 さんずい(ニ:1・2・3の点)と朝(リ下がり:2・3・6の点、朝の「日」の部分)で表す。字式はさんずい+朝。音読みのチョウは漢音。テキスト以外の熟語に赤潮(プランクトンの異常増殖で海水が変色。魚貝類に被害。苦潮(にがしお)、厄水(やくみず)とも∞潮浴び(海水浴)∞潮垢離(しおごり:海水を浴びて身を浄める)∞潮時∞潮騒(波の音)∞潮力発電∞潮汁(しおみず)∞渦潮∞防潮=B人名に海音寺潮五郎£n名に潮岬(しおのみさき:和歌山県の地名、本州最南端)∞潮ならぬ海(淡水湖。琵琶湖を指す。)など。


「うか103」
 第88回 学習会 2015年4月18日(土)

 (54)「肺 」 ラ下り(2・6の点:肉月偏)と市(シ:1・2・5・6の点)で表す。字式は月+市。音読みのハイは漢音。テキスト以外の熟語には片肺∞肺炎∞肺活量∞肺呼吸∞水肺(すいはい:海鼠(なまこ)の呼吸器官。樹枝状をなすので呼吸樹とも)≠ネど。
 (55)「背 」 肉月偏(ラ下り2・6の点)と北(キ:1・2・6の点)で表す。字式は北/月(肉月)。音読みのハイは漢音。テキスト以外の熟語には鯔背(いなせ)∞妹背(いもせ:愛し合う男女。妹と兄。姉と弟)∞妹背鳥(いもせどり:ホトトギスやセキレイの異称)∞向背(きょうはい、こうはい。従うこととそむくこと。そむくこと。反抗。表裏。日向と影。)∞光背(こうはい:仏像の背後に付ける光明を表す装飾)∞背番号∞手背(しゅはい:手の甲)∞背負子(しょいこ)∞背泳ぎ∞背戸(せど:裏口)∞背伸び≠ネど。
 (56)「半 」 ロ(2・4・5の点)とハ(1・3・6の点)で表す。字式は略。音読みのハンは漢・呉音。テキスト以外の熟語には大半∞半数∞一言半句∞半紙∞紙半(しはん:額に付ける三角形の白紙)∞半導体∞擂半(すりばん:擂半鐘の略。近火の知らせに半鐘を続けざまに鳴らす)∞半返し∞生半可∞半片(はんぺん)∞半天・半纏∞小半時(こはんとき:30分程)∞小半(こなから:半分の半分。二合五勺)∞生半可(中途半端)∞半狂乱∞八里半(焼芋の異称。栗(九里)に近い美味の意。九里よりうまい十三里とも)∞半額∞三行半・三下り半∞三半規管(内耳にある平衡感覚を司る器官)℃l面海に囲まれているため、半島≠ェ付く地名が多い。など。


「うか104」
 第90回 学習会 2015年6月20日(土)

 前回までの復習
 (57) 「晩 」 日偏(リ下がり:2・3・6の点)と免(2・5の点)で表す。象形文字。字式は日+免。音読みのバンは漢音。免≠フ付く字に「挽」がある。テキスト以外の熟語には晩生(おくて)∞晩鐘(暮の鐘)∞晩稲(おしね:おくて)∞歳晩(さいばん:年末)∞早晩(遅かれ早かれ)∞晩節(晩年、老後)∞晩涼(ばんりょう:夕方の涼しさ)∞晩翠(冬枯れの時に草木が緑色であること)=B人名に土井晩翠≠ネど。
 (58) 「秘 」 禾(ノ木偏:2・3・6の点)と必(5の点)で表す。字式はノ木偏+必。本来はノ木偏ではなく示す偏。示は物を載せる台。音読みのヒは漢・呉音。テキスト以外の熟語には秘湯∞秘蔵っ子∞秘伝∞秘法∞秘宝∞秘宗(真言宗)∞秘枢(ひすう:秘密で大切なこと)∞秘奥(ひおう:奥深いこと)∞秘訣∞黙秘∞厳秘∞守秘∞秘匿∞深秘(しんぴ:深い道理)≠ネど。
 (59) 「飛 」 ロ(2・4・5の点)とヒ(1・2・3・6の点)で表す。字式は略。音読みのヒは漢・呉音。テキスト以外の熟語には飛魚(あご、とびうお)∞飛鳥(あすか)∞暗中飛躍(暗躍)∞一足飛び∞飛車∞雨飛(うひ:雨のようにそそぎ飛ぶ。弾丸雨飛)

 今回の学習
 ※ 「一・口・田」が縦に並んだ形フ、フク≠ェ含まれる文字2つ。
 (60) 「富 」 (2・5の点)とフ(1・3・4・6の点)で表す。「一・口・田」が縦に並んだ字をフ(1・3・4・6の点)で表した。「一/口/田」は腹の部分が膨らんだ酒壺の形。物資が豊かであること。豊かさを象徴する形。字式はウ冠/一/口/田。音読みのフは呉音、フウは漢音。テキスト以外の熟語には殷富(いんぷ:富み栄えること)∞致富(ちふ:富を得ること)∞富士額(ふじびたい:美人の形容)∞富岳(富士山)∞富裕∞暴富(ぼうふ:急に金持ちになること)=B名前や地名に富田∞福富∞富山∞富良野≠ネどがある。


 第91回 学習会 2015年7月18日(土)

 (61) 「福 」 示偏の右側に「一・口・田」が縦に並んだ形で、神様に捧げられた豊かな供物を表す。熟語は、福寿∞福利厚生∞至福∞祝福∞社会福祉≠サの他福々しい∞福は内、鬼は外<eキストにない熟語福酒(おみき)∞福徳(善行)∞福禄(幸い)≠ネど。字式は示偏+一/口/田。
 今回は復習で終了。


「うか105」
 第93回 学習会 2015年10月17日(土)

前回の復習
 (62) 「仏 」 ブツ フツ ほとけ
前回弗 ≠フ話に引き続き、ポンド、ユーロ≠フ紹介。ポンド≠ヘ£、ユーロ≠ヘアルファベットCに横線2本の形。フッ素記号は弗素で、弗が使われる。
 (63) 「僕 」 ボク しもべ やつがれ  旁の形が使われている文字に、相撲の撲∞樸`はく、ぼく 
 (64) 「無 」 ム ブ ない なし
 字式は、舞がしら/4つてん。無は舞う人の形。衣の袖に飾りを付けて人が舞を舞う姿を象った文字。無がもっぱらない、なし≠フ意味に用いられるようになって、無に舛`せん*B(左右の足が外に向かって開く形で、舞う時の足の形)を組あわせた舞が、まう、まい≠フ意味に使われる。
 (65) 「余 」 ヨ あまる あます あまり
もとの字は食偏がついていて、食べ物がたくさんあって有り余る様子を象っていると言われる。あまる≠ニは、多すぎること。能力を超えること、身に余る、目に余るなど。ヨの音は、余りのあることを表す熟語を作る。余裕∞余力∞余震∞余命≠ネど。
 餘(余)とは別の余の字がありメスから来ている字で、このメスで膿を出したり悪い物を取り除く。治癒させる。鍼灸施術、外科手術など。
 余は満足じゃ≠フように一人称のわれの意味に用いるのは仮借の用法。

今回の学習
 (66) 「除 」 ジョ ジ のぞく のける。漢点字符号はサ(1・5・6の点)とモ(2・3・4・5・6の点)  こざと偏の右側に余の字が置かれた形の文字。のぞく≠ニは、目の前にあるものを外す。取り除く。のける≠ニは、そこから他の場所に移して取り去る。仲間はずれにする。別の場所に取っておくこと。魔除け∞除け者=Bジョ≠フ音では除去∞除外∞除去∞除虫菊≠ネど。ジ≠フ音では、掃除=Bまた、ジョ≠ヘ計算法の一つ割り算をさす。加減乗除=B字式はこざと偏+余。


 第94回 学習会 2015年11月21日(土)

 * 令とそれをパーツとして含む文字一つ
 (67) 「令 」 レイ(4・6・の点)とロ(2・4・5・の点)で表す。三角屋根の下に点、その形に片仮名のマが置かれた文字。文字の意味は、人が神の前で膝を折って神様の言葉を聞いている形を象っているといわれる。神様の言葉を聞くことから位の高い人のことを聞く「いいつけ」「みことのり」の意味を表している。神の神託や天子の「みことのり」から「おきて」の意味にも用いられる。そこからせしむ≠ニいう訓読が生まれた。これは、漢文を訓読する際の読み方である。熟語は法令∞命令∞詔令(天皇の命令)∞勅令(明治憲法で定めた天皇の命令)∞社交辞令≠ネど。
 令の字は、常用漢字では、令°ウ育漢字ではふしつくり≠ナはなく片仮名のマを使っている。
 (68) 「領 」(4・6の点)と(オ2・4の点)で表す。リョウ
令の右側に頁が置かれた形の文字。頁は、頭に被り物を被った形を象った文字で令と一緒になって上に立つ者、上に立って国を治めるという意味に用いられる。要領≠フ要は腰を、領は首筋をさし体の大切な部分の意味である。そこから要点=A作業や操作のコツという意味が生じた。領域∞領土∞領海∞受領書∞領有∞大統領∞領袖=i統率する者)首領=iかしら)


 第95回 学習会 2015年12月19日(土)

 使用教材  漢点字 学習用 テキスト 初級編 第7回(全10回)
 9 基本文字 (5)
   1 第二基本文字(1)
 第二基本文字とは二マス目に、1・2・3の点の何れか一つが使用される。
 * 「糸頭」
 (1) 「幼 」 糸頭(イ下がり2・3の点=第二糸偏)とア(1の点)で表す。字式は幺+力。音読みのヨウは呉音。
 テキスト以外の熟語は幼気(いたいけ)∞幼顔(おさながお)∞幼心(おさなごころ)∞幼言葉(おさなことば)@c名(ようみょう、おさなな)幼馴染(おさななじみ)∞幼姿∞幼弧(ように:幼いみなしご)≠ネど。幼を含む文字に拗(よう:飛び上がること)≠ェある。

 
前号へ トップページへ 次号へ