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漢点字講習用テキスト
初級編 第12回


    3  複合文字 (1)

 4.漢数字および第一基本文字を部首とした文字 (5)

 ・「云 」を含む文字。
 (65)  芸   ゲイ ゲ
        うえ‐る わざ
 「草 」の下に「云 」を置いた文字です。植物を育て栽培することを表す文字です。そこから、ものを作ること、その技術、さらにその作品という意味が生じました。漢点字では、「 (草冠)」と「 (云)」で表されます。
 「芸術」「芸能」「芸人」「園芸」「演芸」「文芸」「一芸に秀でる」

 (66)  会   カイ エ  あ‐う
        あつ‐まる あつ‐める
 三角屋根の下に「云 」が置かれた形の文字です。人が顔をあわせる、人が集まって、力をあわせて仕事をするなどの意味があります。また、人が集まって形成する集合体も指します。漢点字では、「」で三角屋根を、「」で「云」を表します。
 「会社」「会合」「会議」「会計」「社会」「協会」「一期一会」

 ・・「会 」を含む文字。
 (67)  絵   カイ  え えが‐く
 「糸偏」の右側に「会 」を置いた形の文字です。「会 」は、ものを寄せ集めるという意味があって、この文字は、糸を寄りあわせて、彩り豊かな刺繍を指します。そこから彩色された絵画、またそれを描くことを表すようになりました。漢点字では、「 (糸偏)」と「 (会)」で表されます。
 「絵画」「絵の具」「絵本」「絵巻物」「絵解き」

 * 以下の二つの文字は、墨字では「云 」を部首としてい含んでいますが、これは本字に含まれている「專」の略体です。そこで漢点字では点字の符号に、「」ではなく、「」を採用しました。
 (68)  伝   デン テン  つた‐える
        つた‐わる つた‐う つたえ つて
 墨字では、「人偏」の右側に「云 」を置いた形の文字です。この「云 」は、「專」の略体で、「專」は、丸いもの≠表しています。丸いものをころころと転がして、人から人へ手渡す様子を表している文字です。そこから、人から人へ、ものや情報が伝わる、昔から今へ、話しや習慣が伝わっているという意味に用いられます。漢点字では、「 (人偏)」と「 (云)」で表されます。右側の点字の符号に、「云 」の「」でなく、「」が用いられるのは、本字に従っているからです。
 「伝言」「伝達」「伝説」「伝記」「伝統」「列伝」「駅伝」「以心伝心」「手伝い」「道伝い」「言伝」

 (69)  転   テン  ころ‐ぶ
        ころ‐がる ころ‐げる ころ‐がす
        まろ‐ぶ うた‐た
 墨字では、「車偏」の右側に「云 」を置いた形の文字です。この「云 」は、「專」の略体で、「專」は、丸いもの≠表しています。「車」とともに、丸いものがころころと転がる、転げる、転がすという意味を表します。時代が移る、人が変わる、ぐるっと一回りするという意味が含まれていて、うたた≠ニ読んで、移り易い様、加速する様、ものごとが悪い方へ進む様を表します。漢点字では、「 (偏)」と「 (云)」で表されます。右側の点字の符号に、「云 」の「」でなく、「」が用いられるのは、本字に従っているからです。
 「転居」「転勤」「転校」「転移」「回転」「気が動転する」「七転び八起き」「転た寝」「転た心」

 ※ 「火」を部首として含む文字。
 (70)  秋   シュウ  あき とき
 「ノ木偏」の右側に「火」を置いた文字です。本字では旁に「亀」が入っていて、火で亀をあぶることを表していますが、通常は省略されます。「ノ木偏」は、作物の豊かな実りを表すもので、この文字は、収穫の季節の秋を表しています。また、とき≠ニ読んで、大切なその時の意味にも用います。漢点字では、「 (ノ木偏)」と「 (火)」で表されます。
 「秋月」「秋天」「秋光」「春夏秋冬」「白秋」「秋の長雨」

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