「うか」065  シリーズ初回へ   トップページへ

漢点字講習用テキスト
初級編 第6回

    3  複合文字 (1)

 (前回の続きです。)


 ※ 「」(ウ冠)を部首として含む文字
 (13)  字   ジ  あざ あざな
 「ウ 」の下に「子」の形の文字です。「ジ」と読んで「文字」を、「あざ、あざな」と読んで、土地の名、人の名を表します。「ウ冠」は屋根、「子」は子どもを表して、子どもを大切に育てるという意味を表します。漢点字では、「」でウ冠を、「」で子を表します。
 「文字」「漢字」「ローマ字」「数字」「字句」「字引」

 (14)  宗   シュウ ソウ  むね みたまや
 「ウ 」の下に「示」の形の文字です。屋根の下に祀られた祭壇を表しています。先祖を祀った〈御霊屋〉、氏族がそこに集う場所、また氏族をとりまとめる理念などを表します。漢点字では、「 (ウ冠)」と「 (示)」で表します。
 「宗教」「宗派」「禅宗」「日蓮宗」「浄土宗」

 (15)  宝   ホウ  たから
 「ウ 」の下に「玉」を置いた形の文字です。屋根の下、建物の中に、大事なものを保管している形を表しています。「玉」は、丸く透き通った、美しい光を放つ貴石を意味します。漢点字では、「 (ウ冠)」に「 (玉)」で表します。
 「宝石」「宝玉」「宝物」「財宝」「人間国宝」「宝島」「宝籤」

 ・「安」とそれを含む文字
 (16)  安   アン  やす‐い
        やす‐らか やす‐んずる
 「ウ 」の下に「女女」の形の文字です。屋根の下に女性を置いて安心させる、心を落ち着かせる。安らかで落ち着いた、安心して生活が営める様子を表しています。漢点字では、「 (ウ冠)」と「 (女)」で表します。
 「安心」「安全」「安価」「安易」「安堵」「保安」「平安」「国家安泰」

 (17)  案   アン  つくえ かんが‐える
        あん‐ずる
 「安安」の下に「木木」を置いた形の文字です。元は肘を乗せる「つくえ」を意味していましたが、現在では、意見や計画をまとめたものの意で用いられます。また、「思う」とか「心配する」とかの意でも用いられます。漢点字ではウ冠を省略して、「」で「安安」、「」で「木木」を表します。
 「案件」「案出」「案内」「案外」「提案」「議案」「答案」「名案」

 ・「穴」とそれを冠とする文字
 (18)  穴   ケツ  あな ほらあな
 「ウ 」の下に「八`八」の形の文字です。屋根の下に穴を掘って住む、穴居住宅を象ったものと言われます。また、漢方・鍼灸で言う「経穴」の意味も含みます。漢点字では、「 (ウ冠)」に「 (八)」で表します。
 * この文字は、「穴冠」として、一つの部首をなして、新たな文字の要素となります。
 「穴居」「洞穴」「経穴」

 (19)  究   キュウ ク  きわ‐める
        きわ‐まる
 「穴 」の下に「九`九」を置いた形の文字です。「九`九」は、腕を曲げて、奥深く差し込んだ形を象った文字で、ここでは、穴の底のどん詰まりまで手を差し入れた形を表しています。漢点字では、「 (穴冠)」に「 (九)」で表します。
 「研究」「追究」「究極」「究明」

シリーズ初回へ  トップページへ